やまうらの文章

やまうらが思ったことなどを書いてます。

飛ぼうとしたって羽なんか無いって知ってしまった夏の日

 BUMP OF CHICKENと出会ったのは天体観測だろうか。ヒットチャートを駆け抜けているのを横目で見ていた。気になるけど手は出さない。そんな距離感でテレビ越しに眺めていた。


 そんなある日、あれはなんて名前だっただろう。フジテレビのドラマでBUMPの曲が全面起用された。たしか、あのドラマの名前も天体観測だったと思う。


 ドラマに合わせて、アルバム「jupiter」の曲が流れる。それがなんとも言えなかった。ドラマの内容なんてもう忘れたけど、Title is mineが流れる所で痺れる感じがした。


 過去を見て、今を知る。好きになる。自分の気持ちの代弁のような、でも強さや優しさ、厳しさ、弱さ、多くの挫折と、踏み出す力を持つ繊細な詩。上手くは無いけど、感情の乗った歌。憧れを抱くけど、自分もなれるような、親しみと錯覚を与えてくれた。


 まだ一度も見ていない。そして東京ドーム。僕はまだ会えない。


 羽は無いけど、真っ直ぐ歩く足はある。スタスタと進んでいたが、立ち止まった僕を見て、タバコを吹かしながら、振り返り、また彼は歩き出す。力無いような感じで右手を肩ぐらいまで上げて、生きるのは最高だと呟いたかどうかは風のせいで聴こえなかった。


 いつかは叶う。願い続けていれば。止めなければ。努力し続ければ。好きで居続ければ。


 おめでとう。さようなら。またあした。いつか灰になるけど、それまでには会いに行く。