やまうらの文章

やまうらが思ったことなどを書いてます。

世界の配管工は何処に向かうのか。スーパーマリオオデッセイのスタッフロールまでの感想。

 

 

 スタッフロールが終わりではない昨今、何処で感想を語るのが一番良いかと考える。それは人次第という答えしか出てきませんが、やっぱり、スタッフロールからのサンキューフォープレイング画面が現れたところが、一区切りとしては良いのではないかと思い、少し感想を書かせていただく。

 

 マリオはゲームの指標、もしくは標準だと思っております。キリストが生まれたのを境に、紀元前と西暦と分かれるように、スーパーマリオブラザーズ以前と以後で、テレビゲームは世間的にも大きく扱いが変わった。マリオという存在は、指標、標準、基準、羅針盤のような扱いだという考えで、今作、スーパーマリオオデッセイについてを斯く語りき。

 長々した前文ではありますが、私の中での絶対神マリオ像と照らし合わせて読んで貰いたい。

 

 今作は、ニンテンドースイッチにて、初のスーパーマリオシリーズで、ハードウェアの機能的な部分の新たの利用方法や、ニンテンドーの今後のゲームの方向性が詰まった作品だと期待して遊び始めた所、直ぐにそういう方向では無い事が分かった。

 奇を照らすようなアクションや、見せ場ではなく、質実剛健に今まで積み上げた3Dマリオを、いかに丁寧に、分かりやすく、楽しさを伝えるかに注力した作品であり、技術のフラグシップモデルでは無く、スタンダード(標準)にこだわりを出していた。

 

 何故、今までの既存路線や、悪い書き方をすれば、他のゲームでも体験出来るような、アクションを取り入れたりして、マリオを作り上げたのかなと疑問に思う部分があるが、初めてスーパーマリオブラザーズを体験する人の為に、マリオが、マリオらしく王道を歩むために、複雑にすることではなく、シンプルにどういう体験をすれば面白いと感じ、手応えがあるなとか、難しいけど、もう一度挑戦しようと思わせてくれる要素がある事が重要で、ゲームが面白い、次もプレイしたいを重視した結果、最先端ではなく、標準を重視しているのだろう。だからこそ、既存の良いところを寄り集めて、マリオにブレンドして提供しているのだろう。

 

 マリオはやはりトライアンドエラー(試行錯誤)の繰り返しで、後半に向かって、大いに死亡します。私はアクションゲームが下手なので、クリアまでに50以上は死んでますが、ほとんどは後半のステージで、慣れてきたところで、急に凶悪な難易度が降りかかって来ました。マリオシリーズには、よくある傾向でもあります。3Dマリオは敵に当たるのは三度まで命の保証をされてるので、優しく感じる部分もありますが、落下は即死は問答無用なので、この辺はスーパーマリオブラザーズの郷愁を感じます。死亡暗転からの復帰の短さや、残機制ではなく、10コインロストによる復活なので、死亡する事の繰り返しに対するストレスは低めではあるものの、アクションが苦手で、繰り返すことが嫌な私としては、マリオ憎し。ただ、死亡しても、死亡場所にコインがしばらく残ったり、死にやすいところにはコインが厚めに配置されている辺りが、トライアンドエラーで乗り越えた喜びを感じて欲しいといった、ニンテンドーからのゲームの楽しみ方を伝える一つだと思います。これは古くからのマリオならではの良さでもあります。

 

 マリオも遂にこういう風になったなと思ったのは、演出です。PSOやペルソナを彷彿させるような、ロックやジャズなBGMが、一層ゲームを盛り上げつつ、エモーショナル(感情的)になったと思います。物語自体は今迄からの流れではあるけれど、演出構成とBGMにより、わくわくさせてくれる事を再認識させてくれました。物語の内容自体だけではなく、感覚的な部分への訴えは実に大切なことがよく分かります。

 

 3D空間に2Dドット絵の横スクロールアクションが切り替え無しに動き出すとか、多分技術としても面白いこともやっていますし、ユーザーに郷愁と新しさを与えてくれてます。ちょうど、ファミコン世代の人が子とゲームする時に、親も子も新鮮な刺激がある仕掛けと、それ自体でコミュニケーションが取れるだろうなと、ゲーム内では無いところの三次的な面白さも良かったです。

 

 ゲームは終盤になると、演出の刺激がかなり強くなりました。具体的にはネタバレになるので書きませんが、現実では出来ない体験だが、知識として知っていて、体験してみたいと思うことをゲームという形で表現する。古典的で、基本中の基本ですが、ゲームが持つ可能性を改めて感じさせてくれました。 

 

 マリオは標準。これにふさわしい内容でしたが、逆にこれをゲーム業界の標準にしてしまうとあまりにも高いハードルです。ただ、ゲームの楽しさとは何なのかを改めて、考えた時に、シンプルに反応する喜び、ストーリーで歓喜する喜び、集める喜び、クリアする喜びと、色々な要素がある中で、触っていて楽しい空間作りを作り上げることの重要さをよく分からせてくれます。どことなく、ディズニーランドのような、居るだけで幸せを感じさせる世界を作って締まったゲームだと思いました。

 こんなにも褒め言葉だらけだと、あれだなと思いますが、それぐらい凄いゲームです。もし、ニンテンドースイッチを持っているならプレイして損は無いです。

 

 久しぶりにプレイした、配管工と化け物と姫とのラブロマンス。しっかし、配管工と姫って凄い組み合わせだな。なんでまたそんな組み合わせと思いつつ、大学時代の友人でとか、現実でそんな近しい話が合ったような、無かったような。それは配管工と姫ではないか。

 このテンションで、グダグダな文から熱を感じ取れる部分があったなら、ポチッと購入してプレイしてみてください。ゲームって久々に面白いって思いますから。